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SONY BRAVIA KDL-46F1 映像ドライバ回路修理(AS15-F交換)

メインで使用していた液晶テレビが壊れたので修理してみました。原因は液晶表示用ドライバーIC「AS15-F」の故障で、OEM品に交換することで修理できました。備忘録として詳細を記載しておきます。

 


 

2008年に購入し今年で12年になります。デザインが良く、個人的にお気に入りのテレビなのですが、朝起きると子供が、「パパ、テレビ壊れてるよ」というので、確認し、原因を調べてみました。

 

・故障の現象:上記写真のように映像の色が白黒になったり、カラー配色(油絵のような映像)がおかしくなる。

 

・原因の確認:主電源ON,OFFやソフトウェアリセット、各種配線抜き差し、軽くたたいても映像に変化なし。

       音声は正常であるが、数分つけておくと映像にノイズがのり、さらに悪化する。

       上記症状から映像処理ICの故障(熱暴走も発生?)と判定。

 

・修理方法:カッターと半田ごて(40W)で、液晶表示用ドライバIC(AS15-F 48ピンTQFPパッケージ)を新品と交換。

 

※注意事項:1cm角に48ピンの端子が付いた表面実装部品の交換です。ハンダの扱いに慣れていない方は絶対に失敗しますので、マネしないようにお願いします。どうしても交換したい場合は、リワークステーションやヒートガンの使用をお勧めします。

 


とりあえずテレビの裏カバーを外してみました。

回路構成的に下の左側が液晶バックライトドライバ、真ん中が電源回路、右が受信信号処理回路、そして、真ん中上の赤四角で囲んだ箇所が液晶表示用ドライバ回路になります。

 

ここはアルミカバー兼ヒートシンクで囲われいて、ネジを外すと右側の写真の基板が現れます。

赤丸で囲んだ箇所が液晶表示用トライバICになります。

 


ネットでドライバICを探すと、香港の電子部品問屋にOEM品が見つかりましたので早速購入(100円/個)しました。船輸送なので届くまで20日くらいかかりました。なお、このICの詳細はネットで「AS15-F_E-CMOS.pdf」と検索すると出てきます。

 

取り換え方は下記①~④の通りです。

 

①ICの周辺部品を壊さないようにするため、耐熱テープでカバーする。

②良く切れるカッターで48ピンの足を何度も軽く往復させ、足を切り取る。

③ICのランドに多めのハンダを盛り、ハンダ吸い取り線で、ランドに残ったICの足を吸い取る。

④新品のICを載せ、ハンダゴテ先端をスポンジで洗浄後、表面をハンダで軽くコーティング⇒ICの足1本をハンダ付けという作業を繰り返す。

※少しでもハンダ量が多くなると、端子間がショートします。

 

なお、ICの足を切る際は、かなり注意が必要です。注意しながら作業をしても、今回ランドが1つ剥がれてしまいました。幸いに、そのランドは元々強度が弱い非接続線(N.C)の不要なランドでしたので、今回の修理には影響はありませんでした。

 

 


基板をアルミカバーに入れてテレビに取り付け、信号線3本を接続し、最後に裏カバーを取付ければ修理完了です。

 

テレビの電源を入れてみると、上記のように奇麗に映るようになりました。

数時間つけっぱなしでも安定して映像が映っているので、あと数年は使用できるかと思います。

 

 

何だかんだで苦戦しながら、修理に1時間ほどかかってしまいました。肉眼ではICの足のハンダ接続状態は見えないレベルなので、最初の方にも書きましたが、ハンダの取り扱いに慣れていない方はやめた方がいいと思います。

 

 

↓このテレビの詳細は下記(価格.com)です。

https://kakaku.com/item/20416010888/spec/